はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
「私と付き合ってみる?」
これが考えに考えに考えた末の
私にとっては内臓飛び出しレベルのセリフだったのです。
それまで、告白というものをしたことがありませんでした。
告白はされても断るのみ、という人生を40年も過ごしてきたころの話です。
言わなくて後悔するより、言って笑い話にしよう。
そう決心しての告白でした。
彼が冗談ばっかりって流しやすいように、
且つできるだけ自分が傷つかないように張った
予防線入りの居丈高なセリフが前述のものであります。
40歳で初告白なんて恥ずかしい。
ついでにこんな言い方しかできなくて恥ずかしい。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい、内臓でてきちゃう。
あの告白から10年。
3年前からその彼と暮らしています。
今でもときどきこの時の告白話をして笑い合えます。
こんな私と一緒にいてくれてありがとう。